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2019.12.01

特許翻訳

高品質な翻訳会社がこれから伸びる! 特許情報フェア出展からみえてきたこと -企業知財部は既存の特許翻訳の品質に疑問を持っている


トランスユーロでは2019年11月6日から8日まで行われた、特許・情報フェア&コンファレンスに今年も出展し、わずか2回目の出展ではありますが、特許翻訳業界がこれからも成長できることが実感できて、出展にかけた費用以上に価値があったと振り返っています。

それでは早速具体的な事例をもとに、以上の感想の根拠を説明していきます。

トランスユーロの企業プレゼンテーション 企業知財部からの来場者が8割

ホームページでもご案内していた通り、トランスユーロ会長の加藤が「ドイツ固有の技術用語の翻訳 知らないと大損する日独概念相違」と題してプレゼンテーションを行いました。会場に聞きに来てくださった来場者の8割は企業知財部や関連部署の方々でした。

これは、既存の翻訳に対する不安や不満がなければ、起こり得なかった現象です。弊社では実は同業他社からのご参加を多くいただくだろうと予想していました。ふたを開けてみるとそうではなく、実際に翻訳を依頼する側からのご参加が多かったことで、企業知財部の方のほうが翻訳会社よりも「用語の選定」「技術用語の概念の違い」に興味を持っていただけていることが8割という数字で明らかにされました。

ブースにいらしてくださった方からの声 「機械翻訳は使っていないんですね??」

トランスユーロでは機械翻訳を使用しておりません。翻訳の全工程を職人レベルの翻訳者が行い、チェックを担当するのもイチからトランスユーロが育てたチェッカーです。

もちろん「機械翻訳を使っていない」と聞いて、弊社への興味を失う方もいらっしゃいましたが、一方で「機械翻訳を行っていない」という理由で足を止めてくださった方のほうが多かったのです。そしてそういったお客様の多くは、企業の知財部の方々と、一部の弁理士の方々でした。ここでも特許翻訳業界の課題がはっきり致しました。

依頼する側は機械翻訳に頼る翻訳会社に疑問を持っている。翻訳会社は理由をつけて機械翻訳を使いたい。という需要と供給の不調和です。

外注してるが翻訳の品質が安定しない・・・

ブースに足を止めてくださった方たちが一様におっしゃったのは「現在お願いしているところの『品質』が安定しない」の一言でした。現状の特許翻訳のレベルに問題意識があるのは、翻訳会社側よりもお客様となる、企業知財部の担当者の方々・弁理士の先生方だったのです。

翻訳会社も、お客様も一般に機械翻訳を使えば、精度が安定し、ケアレスミスは無くなり、スピードも増し、品質が安定すると考えるでしょう。一方で、翻訳会社側が機械翻訳を導入する大きな理由は、翻訳者に支払う料金を減らし収益を上げるためなのです。果たしてこれは本当に高品質な翻訳を生み出す正の循環でしょうか。

 疑問 しかし本当に、安くて早くて品質の安定した翻訳会社はあるのか?

費用は相対的なものなので「安い」とはいくらからか?をここで書くつもりはありません。

一方、品質は相対的では困ります。そのため翻訳の品質とは何によって担保されるのか?といった品質評価ガイドラインが翻訳業界にはありますが、そこに書かれている基準はケアレスミスや用語の揺れ、訳抜けのあるなしです。そんなものは、品質以前の問題だとトランスユーロでは考えています。

そして特許翻訳という法的根拠となると同時に、公開されていない最新の技術文書でもある特殊な翻訳分野では、「ケアレスミスや用語の揺れ、訳抜けのあるなし」は無いのが本来のスタートラインです。

特許翻訳の品質の大きな基準の一つ 「技術内容は本当に原文と同一に訳されているか?」

トランスユーロでは、正社員/フリーランス/アルバイト採用試験の際に実際に翻訳をしてもらいますが、特許翻訳者を既に名乗っているにも関わらず、技術内容が理解できていることが、少なくとも訳文からは読み取れない解答をいただくことが多々あります。

これはその翻訳者の責任ではありません。そのような方にしっかりトレーニングもせずにフリーランス契約をし、翻訳を依頼してしまう翻訳会社の責任です。翻訳会社からフィードバックもないので、ご自身の実力をUPさせる機会も少ないのです。同じ翻訳会社として、そういった方々には申し訳なく思うほどです。

 高品質な翻訳会社はこれから伸びる

以上のことから明らかになるのは、将来が危ぶまれる特許翻訳業界ですが、むしろ技術内容をしっかり理解して翻訳できるような、高い品質を維持できている翻訳会社は今後伸びていくことでしょう。

ここまで機械翻訳を悪者のようにも書きましたが、実は機械翻訳と協働できるのは、機械翻訳をしのぐ翻訳力を持つ職人レベルの翻訳者だけなのです。そうでなければ機械翻訳のミスにも気づけません。普通に考えても自分より能力の高い人に指導することはありませんよね?

今後も伸びていく、高い品質を維持できる翻訳会社では、職人レベルの翻訳者が活躍し、自然と「人間の」後継者育成に力を入れていくことでしょう。

トランスユーロでは、高品質な「特許翻訳」とは何か?を真摯に考える、職人特許翻訳者たちが、翻訳技術向上にむけて切磋琢磨しています。ぜひ、一度彼らの翻訳をお試し下さい。

また、会長が登壇した企業プレゼンの内容は、ご希望があれば共有させていただきます。日時を合わせてお伺いさせていただきますのでお問い合わせください

 

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